【独バイエル、除草剤の発がん性めぐる訴訟で和解 1兆円超】
【ドイツの化学大手バイエルは24日、同社の除草剤「ラウンドアップ」の影響でがんになったと訴えられた訴訟で、109億ドル(約1兆1600億円)を支払うことで和解したと発表した。
ニューヨークの法律事務所ワイツ・アンド・ラクセンバーグは、原告約10万人を代表して、和解に至ったとしている。
バイエルは不正行為はなかったと主張しているが、「不安定な状況」を終わらせるため、支払いをするとした。】
発ガン性はないとしながらも和解金として1兆円を支払ったバイエル社のニュースは記憶に新しいかと思いますが、今年7月、”除草剤の発ガン性”ではなく”除草剤との認知症との関係性”について研究が行われたようです。
2022年7月にアリゾナ州立大学により発表された研究結果によると、グリホサートが認知症の発症に影響しているかもしれないということです。
【新しい研究では、グリホサートへの曝露が脳に及ぼす影響の可能性を探っている。この除草剤は血液脳関門を通過することが示されており、アルツハイマー病と相関しているかもしれない。
アリゾナ州立大学大学院研究助手の Joanna Winstone 氏らは、グリホサートへの曝露がマウスの脳に及ぼす影響について新たな研究を行った。】
グリホサートが脳内のTNF-αを上昇させる
【その結果、グリホサートは血液脳関門を通過して脳に侵入し、TNF-αと呼ばれる重要な因子の濃度を高めることが初めて明らかになりました。この炎症性サイトカインTNF-α は神経免疫系において重要な機能を果たしており、免疫反応を促進し、脳を保護するよう作用する。
しかし、TNF-αのレベルが制御不能になると、神経炎症に関連した多くの疾患が引き起こされる。その中には、アルツハイマー病も含まれる。】
【最近の研究では、適切な運動、栄養価の高い食事、適度な飲酒、禁煙などのライフスタイルの変化が、認知機能の低下の予防や抑制に役立つ可能性が示唆されており、脳と心臓血管の健康は密接に関連していることが指摘されている。】
【今回の研究では、世界で最も広く使用されている除草剤であるグリホサートが神経に及ぼす影響について検討されている。米国だけでも毎年約2億5000万ポンドのグリホサートが農作物に散布されている。環境保護庁や欧州食品安全機関によるとグリホサートは人体に対して安全だとされているが、研究者たちは再考している。
短期間の除草剤使用に関する研究では有害性はないとされているが、長期間の暴露による影響の可能性についてはほとんど分かっていない。
グリホサートは、血液脳関門を通過することができる。
血液脳関門は、血液中に溶解した物質が、脳の神経細胞が存在する中枢神経系の細胞外液に容易に入り込むのを防ぐ内皮細胞の層である。】
【「グリホサートを使用している農業地域には、アルツハイマー病の有病率が非常に高いということです」とウィンストンは述べている。「我々は科学に基づいてアルツハイマーとグリホサートの関連を確立しようとしています。」】